無病息災を願う瓦模様

江戸後期、日本では三度目のコレラが流行しました。

また1919~1921年はスペイン風邪が三度流行しました。

比較的若い層で39万人の死者が出たとされています。

スペイン風邪の流行をきっかけに

それまで医療従事者にしか用いていなかったマスクが

一般人にも普及するようになりました。

コレラは水を介して感染する代表的な水系感染症で

原発地はインドのガンジス川下流のベンガルから

バングラデシュにかけての地方と考えられている感染症です。

日本の感染経路としてはペリー艦隊に属していた

米国艦船ミシシッピー号で、

中国を経由し長崎に入った際に

乗員にコレラ患者が出たと伝わっています。

日本ではこのコレラ流行により

衛生観念が一気に高まりました。

当時の日本国内に感染症対策はほとんどなかった

といわれているので

当時の不安な人々は加持祈祷に頼り

疫病退散のお札を戸口に貼り、

家に閉じこもったり病を追い払うために

太鼓や鐘を打ち鳴らしたと言われています。

また厄除け・魔除け、吉祥願い等で願いをこめて

願いが込められた紋様が入った

建築物が作られていました。

瓦屋根にも独自の装飾や紋様が施されていることが多いです。


「三つ巴」(みつどもえ)


(雷さま、和太鼓のイメージがありますね)

勾玉のような形の巴が円形の中に三つ入ったデザイン

「三つ巴」には厄除けや武神の紋章のイメージがあり

水の紋様は火災防止のメッセージが込められています。

「青海波」(せいがいは)


広い海がもたらす恩恵を感じさせる柄でもあり

無限に広がる波の文様に

未来永劫へと続く幸せへの願いと

人々の平安な暮らしへの願いが込められた

縁起の良い吉祥紋様です。

この青海波を新築を瓦に使用しても素敵ですね。

「籠目」(かごめ)


格子柄の連続柄の紋様「籠目」

(正三角形を上下に重ねた星形の紋様の連続柄、

「星形は六芒星」ともいいますね)

陰と陽、光と闇という相対する事象や調和を意味し、

邪気を祓う模様です。


古くから日本では物の怪のや邪気
悪霊といった悪い類いは

「凝視」されることを嫌うと考えられていたそうで

籠目模様の隙間を「目」とみたてて

目がたくさんあるような置物が

家の前に置かれてきました。

また籠目模様は魔除けの役割があるとされていた為

お札として玄関に貼っていたようです。

また魔除けのアイテムとして

玄関先に竹籠が掛けられていました。


時代は違えど人は無病息災、

平穏な暮らしをを「願う」ことは

不変的なものですね。

生活様式が大きく変化し在宅勤務が多くなったり

ご自宅で過ごす時間が増えた今

気持ち良く安全な暮らしが出来るのはもちろん

特別な時間を過ごす為の家の悩み、

住宅のご相談、お悩みなどございましたら

是非弊社までお気軽にご相談ください。

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